企業がKindleでコンテンツマーケティングを最適化する方法
コンテンツマーケティングのプラットフォームと言えば、独自ドメイン、instagram、twitter、LINE@、Facebookページなどが思い浮かぶかもしれません。
AmazonのKindleでコンテンツマーケティングと聞いてもまったくピンと来ない人が多いかもしれません。
日本の場合、2010年頃から「電子書籍元年」と形容されていますが、電子書籍を読むことが一般的に広がっているとは未だに言い難い状況が続いています。
電子書籍のプラットフォームで一番市場が大きく使い勝手が良いのがAmazonのKindleと言えます。
そこで、今回は企業がKindleでコンテンツマーケティングをする際のノウハウについて解説していきたいと思います。
コンテンツマーケティングとしてのKindleの強み
販売コストゼロで迅速な公開ができる
コンテンツマーケティングとしてAmazonのKindleが多くの企業にとって有効活用し得る理由が、参入の圧倒的な手軽さにあります。
まず、電子書籍は、印刷代などがまったくかかりません。表紙(装丁)作成できるデザイナーが要れば、販売画面上は、一般書籍と遜色ないクオリティの雰囲気を打ち出すことができます。
また、Wordファイルを変換するだけで、書籍が完成されます。Web上には「ロマンサー(Romancer)」のような優れた無料で利用できる電子書籍作成サービスもあります。
KindleはKDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)の登録画面にアクセスし、本をアプロードします。
アップロードが最長72時間、多くの場合は半日後(12時間後)にはAmazonで公開されます。
ただし、審査が通りやすいため、誤字脱字などは事前に自分たちでチェックし、クオリティを上げておくことが大事になります。
オウンドメディアを持っている企業とKindleは相性が良い
Kindleでオウンドメディアの記事とは違う価値を提供する
Kindleのコンテンツマーケティングは、オウンドメディアを持っている企業には非常に有効です。
オウンドメディアは記事単位でコンテンツを見せますが、書籍はテーマに沿ってよりボリューミーにコンテンツを整理しますよね。
オウンドメディアの記事を単にまとめるだけでなく、ある悩みを解決するために、記事同士を結び付け、再編集するといった打ち出し方もできます。
オウンドメディアよりも情報に付加価値を出すことができれば、有料で売ることもできるでしょう。
こうして、オウンドメディアとは違った方向性でコンテンツマーケティングを展開することができます。
実際に、「Kindleで電子書籍の体裁として読みたい人」が、自分が読みたい情報を「ブラウザで検索して記事として読む」とは限りません。
Kindleプラットフォームを支えるUnlimited会員
Kindle読み放題の仕組みを知ろう
Kindleは月額制読み放題の「Kindle Unlimited」サービスを行っています。これは月額980円で読み放題に指定された本は何冊でも好きに読めるというサービスです。
読者側のUnlimitedサービスについては理解している人がいるかもしれませんが、販売側のUnlimitedサービスについてはクリエイティブ業界の人にも理解が広がっていないため、ここで説明したいと思います。
実は私たちがKindleで本を販売する際に、その本を読み放題にするかどうかを指定することができます。
読み放題に指定すると、何が起きるかというと、Unlimited会員が読んだページ数がそのまま収益となります。
厳密には最初に開いて読んでくれたページの50%~60%が収益になります。
これはYoutuberが再生数に対して広告収入が入る仕組みに似ていますよね。
実際にこのページ数に対する報酬は馬鹿に出来ません。あるクリエイターは、有料で購入された本の収益は月に数万円にも関わらず、Unlimited会員の既読ページ数に対する収入は数十万円になったというケースがあります。
つまり、それだけUnlimited読み放題に指定した本は読まれる可能性が高いのです。
よりUnlimitedで読まれるようにするには、本の価格は980円以上に設定して、読み放題で読むことのお得感を与えるとダウンロード数は伸びます。しかし、Unlimitedではない会員が980円以上で購入した際に同価格かそれ以上の価値を出さなければ、レビューで低評価を付けられるでしょう。
社内報やプレスリリースだけでなく、電子書籍としてリリースすることを考えてみよう
Kindleコンテンツマーケティングの可能性は無限大です
日本では電子書籍を使ったコンテンツマーケティングというのは、あまり聞かないのではないでしょうか。
プロダクトローンチで電子媒体を特典にする方法ぐらいかもしれません。
しかも、企業は意外にも電子書籍として価値のあるコンテンツを仕上げる情報資産をたくさん持っています。
社内報、プレスリリース、プレゼン資料、社内研究結果など、多くの情報を書籍使用にカスタマイズすることで、異なった接点を作り出すことができます。
電子書籍で様々なコンテンツをアウトプットしながら、潜在顧客のニーズが明確になれば、ブックブランディングを仕掛けるのも良いでしょう。電子書籍で得たノウハウや結果が、実際の紙の本を作る際にかなり生きてきます。
このようにコンテンツマーケティングとは、横でどんどん自然につながるように行っていくべきです。Kindleとコンテンツマーケティングを結びつけていなかった方は、ぜひ、今回の記事を参考にKindleに注目してみてください。
自作してすぐに販売も可能なので、自分自身で試しに製作・販売・運用までをやってみると、より明確にKindleの世界を捉えることができるでしょう。
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