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一億総クリエイター時代だからこそ「コンテンツの疲弊」に目を向けよう
COLUMN 2020.2.01

一億総クリエイター時代だからこそ「コンテンツの疲弊」に目を向けよう

様々なシステムやツールの発展により、個人がコンテンツを作る敷居はとても低くなっています。また、個人が手軽にメディア持ち、世の中に広く発信できるようになっています。

まさに、世は「一億クリエイター時代」。現代人が1日に受け取る情報量は1980年代に比べても5倍以上とも言われています。

世の中は既にコンテンツ過多である

数十年で一気にコンテンツが溢れ出した

従来の広告が通用しなくなり、コンテンツを届けながら商品やサービスの認知や消費に繋げるコンテンツ・マーケティングが隆盛を極めるようになりました。

企業がSNSを行い、オウンドメディアを持ち、メルマガやホワイトペーパーを発行し、コンテンツをどんどん届けながらLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を高める活動を行うのはごく普通になっています。

個人でも「インフルエンサー」という言葉があるように、一般の人がメディアを持ち、自分自身のことを発信することが当たり前の感覚になっています。

スマホが普及する前の時代であれば、閉じられたコミュニティで自己発信することが多かったかもしれません。ノートパソコンやインターネットが普及する前であれば、世の中の開かれた空間へ自己発信をする個人は、芸能人や作家などの職業クリエイターしかいなかったわけです。

世の中は一気にコンテンツ過多になったといえるでしょう。

時間を埋め尽くすためのコンテンツが重宝されている

コンテンツはよりボトムアップ型に

2008年には既にインターネット利用率が90%以上、2008年からはスマホの普及が促進されていきます。

一億総クリエイター時代の特徴として、今のところ、「コンテンツは時間を埋め尽くすのにちょうど良いクオリティ」が求められていると言えます。

Youtuberなら、「歌ってみた」「踊ってみた」「作ってみた」などのやってみた系の動画がそうでしょう。

テレビのように作りこんだ編集よりも、間延びせずに、早いテンポで、背伸びし過ぎないものを見たいというニーズが高いように感じます。

また、ゲームコンテンツも、かなり難しいステージをクリアし、達成していくというよりも、単純なルールの中で繰り返し行っていくアプリゲームが好まれているように感じます。

2010年~2020年のアイドルブームも、「完全なパフォーマー」を求めるよりも、成長の岐路にあるアイドルに会いに行き、応援することに価値を求めていることが分かります。

クリエイティブなプロたちが「こういうのが粋なんだよ」というトップダウン型のコンテンツは通用しづらくなっています。

SNSなどのメディアを持った個人が、すべてのご意見番の時代になり、コンテンツはよりボトムアップ型になっています。

これからはコンテンツへの捉え方も変わってくる

テクノロジーへの概念も変わってくる

言ってみれば、人間はまだ、最新のテクノロジーの向き合い方を理解していないように思えます。

例えば、電車やバスに乗っていて、何もすることがないと「スマホいじり」をしている人がかなり多いように思いませんか?

自分の人生の目標は「●●」なので、電車やバスに乗っている際は、スマホで〇〇をする、といった計画性がある人は少ないように思います。なんとなく「暇つぶし」を求めた先に、スマホに至るという流れが多いのではないでしょうか。

つまり、現在のコンテンツは、「暇つぶし」に寄り添うコンテンツが求められている部分も非常に多いのです。

そのため、誰かが炎上していれば、そのニュースで多くの人が時間を潰し、さらに注目されていくことになります。

しかし、マインドフルネスやデジタルデトックスの重要性がこれから一般的になっていくと、多くの人が「情報を取捨選択すること」に長けていくはずです。

そこで、重要になっていくのが、根の深いニーズを満たすコンテンツ、悩みや問題を解決するコンテンツです。

重要なのはインスタント・コンテンツで疲弊しないこと

長期的に活躍するコンテンツを絞って作ることも大事

SNSやYoutubeやオウンドメディアを主戦場にしていると、「毎日、コンテンツを更新しましょう!」と、とにかく更新性を重要視する傾向にあるはずです。

ただ、そこで考えて欲しいのが、そのコンテンツを本気で作りたいのか、そのコンテンツを作る労力を本当に投下したいのか、そのコンテンツは長期的な財産や資産になるのか、といったことです。

日々、あまりにも多くの個人や企業がコンテンツをアウトプットしていますが、おそらくほとんどのコンテンツが一過性で萎んでいくはずです。

例えば、「3分間の100円で作れる焼きそばレシピ動画」というのは、これからもたくさんの類似コンテンツがアウトプットされていくでしょう。なぜなら、手軽に他の人が作れるレベルだからです。

しかし、一年間掛けて制作した企業内コミュニケーションに関する200ページに及ぶホワイトペーパーだったら、どうでしょうか?これは他が追従するのに、かなりの苦労を要します。いったん作ってしまえば、トレンドなどを加えたり、微調整して、アップデートを繰り返したりすることもできます。

これからは、長期的に活躍するコンテンツを絞って作ることも大事です。

最後に:根拠のあるコンテンツを増やしていこう

世の中に埋もれない価値のあるコンテンツを

一億総クリエイター時代だからこそ、「コンテンツの疲弊」に目を向けることの重要性について解説してきました。

トレンドを追う以外のコンテンツ戦略はとてもたくさん存在します。特に根深いニーズや悩みに寄り添って作りこんだコンテンツは、長期的に活躍してくれます。

数日間バズるよりも、数年間、十数年間、もしくはそれ以上に、誰かの問題解決を果たす、そんなコンテンツを作りこんでいくことが重要な時代に突入することでしょう。

世の中に埋もれない価値のあるコンテンツを丁寧に作るという視点を持ってみると、トレンドに左右されないコンテンツ戦略のアイデアも出てくるはずです。ぜひ、今回の記事も参考にしてみてください。

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