クリエイターが知っておきたいエンゲージメント・マーケティングの知識
クリエイターとして第一線で活躍するなら、単に制作スキルに長けているだけでなく、多くの立場や視点に立つことが求められます。
特にマーケティングの目線に立って制作の視野を広げられるクリエイターには、より高度な仕事や高い立場を手にする可能性がぐっと高まります。
そこで、今回はエンゲージメント・マーケティングについて解説していきたいと思います。
エンゲージメント・マーケティングとは
愛着度を重視したマーケティング
エンゲージメント・マーケティングとは、顧客の愛着度を高めるマーケティングを指します。
エンゲージメントが愛着心や愛着度を意味します。
言ってみれば、顧客とのつながりや関係性を強化するマーケティング手法とも言えます。
単に商品やサービスを売り込むためのマーケティングではありません。商品やサービスや企業に新しいブランドを付加していくブランド・マーケティングでもありません。
エンゲージメント・マーケティングを人間関係で考えると分かりやすいです。
もしも、あなたがある人と知り合って、その人に愛着心を持つにはどうすれば良いと考えますか?
答えは単純で、何度もコミュニケーションをすることですよね。相手とつながり、関係を強化することです。
エンゲージメント・マーケティングは、顧客と積極的に関わることで、企業のミッションや理念にまで共感を広げていき、顧客エンゲージメントをさらに強化しようとするマーケティング手法です。
なぜ、エンゲージメント・マーケティングが重要なのか?
愛着度が企業存続の一番のポイントになるから
テクノロジーが進化するにつれて、商品やサービスを差別化することが難しくなっています。良い質の商品やサービスを作っても、なかなか売り切ることが難しくなっているのです。
純粋な広告は嫌われ、コンテンツマーケティングのコンテンツ量は世の中に溢れ返っています。
さらには、商品もサービスも流行り廃りが激しく、どれも短命になりがち。安定的に売れている商品やサービスでも、突然、急激に時代の波を受けるリスクを常に持っています。
そこで、大事なのがエンゲージメントです。顧客が企業そのものに対して、愛着心を持っていれば、顧客は新しい商品をリリースした際にも、選んでもらえます。
企業側が普段から顧客と良いコミュニケーションを取ることで、小さな差別化も喜んでもらえるようになります。
エンゲージメント・マーケティングの例
セミナー、ワークショップ
顧客とのコミュニケーションを促せるものは、すべてエンゲージメント・マーケティングの施策と言えるでしょう。
例えば、購入者限定のセミナー、ワークショップもそうです。健康食品の通販会社が、管理栄養士を招いて「お家でできる健康食レシピ」というセミナーを開いたとします。
顧客が商品やサービス以外の要素で、健康的な食事について抱いている悩みをケアすることは、立派な対話ですよね。
現地で直接参加できない顧客のために、ウェビナーであったり、Youtubeの限定公開で動画を見せたりすることもできます。
顧客に快適で有意義なコミュニティを与えることができれば、エンゲージメントはとても高まるでしょう。
アフターサポート
アフターサポートもエンゲージ・マーケティングの立派な施策です。顧客から連絡があった場合にのみ対応するのではなく、積極的にこちらから顧客をケアしていくようなコミュニケーションを取ると、エンゲージメントは高まるでしょう。
例えば、商品を購入した人のライフスタイルや悩みや目標を個別にヒアリングして、最適な商品の使い方を提案することができれば、エンゲージメントを高めながら、商品を満足して使ってもらえる確率も高まります。
すると、別のラインナップの商品も買ってもらいやすくなりますよね。サポート側も、より顧客の生活をトータルでサポートする提案ができます。
顧客の生活により深く入り込むことができれば、エンゲージメントは自然に高まっていきます。商品やサービス外でのQOL向上の機会創出を考えるだけで、エンゲージメント・マーケティングのアイデアはたくさん湧いてくるはずです。
顧客間交流の場
これは意外に思われるかもしれませんが、商品を購入したり、サービスを受けている人たちを集約し、顧客間でコミュニケーションを取ることができる場を用意すると、エンゲージメントが高まります。
顧客間の掲示板やオンラインサロンのような機能を作ることで、同じニーズや悩みを持った人が、共感や同調する機会を得られるからです。
顧客間交流の場で、専門家が解説やアドバイスをしてくれるような機能を入れると、よりエンゲージメントは高まっていくでしょう。
最後に:愛着心を高めるクリエイティブスキルを身に付けよう
長期的に愛着度を高めていくという視点を持とう
以上、クリエイター向けにエンゲージメント・マーケティングについて解説してきました。
クリエイターの場合、あるプロジェクトで、「納品」を目指して制作物などを作ることも多いでしょう。
ディレクターの指示のもとに作る場合は、特に「納品」が目標になるはずです。また、SNS至上主義な今の時代は、コンテンツが即時的な反応を得られるように作るべきだと考えている人も多いようです。
しかし、エンゲージメントは、長期にわたって着実にしか積みあがっていきません。長期的に愛着度を高めていくという視点を持つと、クライアントが本当に作るべきものの本質もより見えてくるでしょう。
また、単にエンゲージメント・マーケティングとは関係ないと思われる販促物でも、「対話的な表現」を上手に増やせば、それはコミュニケーションの機能を果たすこともできるでしょう。
ぜひ、エンゲージメント・マーケティングの視線にも立って、クリエイティブスキルを発揮できるクリエイターになっていきましょう。
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