Webコーダーになるために必要な5つのスキル
言語をコーディングすることで成り立つWeb。Webコーダーは、Web制作の現場における最も基本的かつ重要な仕事を担っていると言えます。
そこで、今回はWebコーダーになるために必要なスキル、Webコーダーになるための適切な勉強法などをお伝えしていきたいと思います。
スキル1:多様なWebの適応力
様々なWebを構築するコーディングスキル
コーディングと言っても様々な対応範囲があります。
Webコーダーの直接的なコーディングスキルは、①可能なコーディング言語、②可能なコーディング分野、③可能なフレームワーク、この3つで決まると言えます。
<コーディング言語>
・html
・css
・Javascript
・JQuery
・PHP
<コーディング分野>
・コーポレートサイト
・CMS(WordPress)
・LP(ランディングページ)
・お問い合わせフォーム
・Webアプリ
・診断サイト
<フレームワーク>
・React
・Bootstrap
・Vue
・CakePHP
・Ruby on Rails
コーディング言語を増やし、コーディング分野を広げることができれば、Webコーダーとしての自分の価値は高まっていきます。最終的に多くのフレームワークを使いこなすことができれば、より多様な案件をこなしたり、コーディングのスピードや質を高めることができます。
コーディングは、Webデザイナーがデザインをまとめあげ、Webディレクターがディレクションで提案を通したWebを再現することが求められます。再現されたものをそのまま再現するスキルがWebコーダーには求められます。ピクセル単位で問題解決にこだわっていくことが求められます。
Webコーディング能力が高くなれば、デザイン制作の段階でコーディング視点でのアドバイスや提案なども行えるようになります。その場合、Webコーダーというよりは、フロントエンドエンジニアとして認められていることになるでしょう。
スキル2:問題解決力
問題を解くことに向き合うスキル
Webコーディングの仕事は、「ドリル問題を解くような仕事」と言っても過言ではありません。これは「ドリル問題を解く以外の余地を味わえない仕事」と受け取ることができます。
問題を解くことに向き合うことを楽しめる体質が「Webコーダーらしさ」とも言えるでしょう。例えば、「クライアントからの曖昧な発注をデザインに起こす」というのは、思考の余白が非常に大きく、クリエイティブとは言えますが、案件によってパターンや内容の差が激しく、最悪の場合「良いデザインが降りてこない」ということもあります。
しかし、コーディングの場合は既に持っているスキルがそのまま反映されやすく、デザインに比べると「良いコーディングが降りてこない」とはなりにくい印象があります。
そのため、WebコーディングとWebデザインを学んだWebデザイナーの中には、Webコーディングのみをすることを好む者も少なくありません。コーディングを通して問題を解く力を高めたいというマインドや行動体質が、Webコーダーとしての力を育てる一番の秘訣だと言えます。
スキル3:情報収集力
外部からノウハウを集めるスキル
瞬時に外部から情報収集するスキルもWebコーダーに求められるスキルです。Webのコーディングも時代が進むにつれて多様で高度なものになっています。ですから、「一人のコーダーがすべてを網羅している」ということは考えにくいでしょう。
答えは自分の内部ではなく、外部にある、ということも非常に多いのです。コーディング作業に行き詰まったとき、手助けとなる良質な外部のアクセス先をどれぐらい持っているか、それもWebコーダーのスキルなのです。
Webフォーラム、コードサンプルサイト、コードジェネレター、コーディングハック記事など、様々なものがWeb上にも存在します。また、同じWebコーダーの仲間を持っていることで、彼らにチェックやアドバイスを貰うこともできます。
Webコーダーはその言語やその分野に対して、コーディングの知識やスキルの土台ができあれば、あとは「情報収集力」だけで作業の加速度や質が決まると言っても過言ではありません。
スキル4:Web運用周りの知識
サーバーやSEOをコーディングと絡めるスキル
コーディングされた制作物は、ローカル環境で閲覧されるわけではありません。サーバー上にアップされ、私たちはWebとして閲覧することができます。ですから、コーディングはサーバー周りの知識を切り離すことができません。
また、コーディングとは内部SEO対策とも直結します。内部SEOとして、検索エンジンから高い評価を受けるコーディングのスキルを持っておくと、Webコーダーとしてより価値を出すことができます。SEOのアルゴリズムは常に変わっていますが、「ユーザーファースト」のコーディングを行うことが、より時代に左右されないSEOを実現すると言えます。
そのためには、ページの読み込み速度を高めるコーディングも必要です。適切な画像圧縮を行うこともコーディングのパフォーマンスを高めることにつながっていきます。
スキル5:学習積み上げ能力
仕事をしながらにスキルを高めるスキル
時代と共に常にコーディングの主流は変わり、求められるスキルや知識は増え続けます。Webコーダーは実務をこなしながらも、常に自分の知識やスキルをアップデートし、同時進行で学んでいくスキルが求められます。
また、すべてのスキルを網羅することは不可能です。「身につけるべきスキル」と「捨てるスキル」と「外部置換するスキル」を見極め続けることが、キャリアをスムーズに上昇させる秘訣とも言えます。
未経験からWebコーダーになるステップ
Webコーダーは未経験からでもなりやすい
Webコーダーはスキルアップの手法が明快なので、未経験からでも就きやすい職業だと言えます。
では、未経験からWebコーダーになるために何をすればいいかというと、以下の手順がベストだと感じます。
ステップ1.リファレンスを徹底して行う
本屋になる「ポケットリファレンス」やWeb上で公開されている「リファレンスサイト」で、基本的なタグを打ち込み、Webコーディングの基本を体験していきます。
ステップ2.デモを作れる教材を数冊実践する
デモサイトなどが制作できる教材を数冊実践します。この過程でWebコーディングの業務を疑似体験したことになります。様々な種類の本を実践すればするほど、多様なコーディングの仕方を自然に覚えることができるようになります。
ステップ3.Webのサイトを組み立て直す
Web上で閲覧できるサイトをHTML保存し、それを自分自身で組み立て直します。ファイルのパスをローカル環境に合わせる作業を通して、そのサイトがどのようにコーディングされているのかが分かります。Web上にあるサイトは、実際に制作会社が作ったものなので、その中身に触れることができます。ランディングページが一番実践しやすいと言えます。
上記、3つのステップは独学の場合ですが、オンラインスクールで一気に学習するなどしても、実際のスキルが身に付きやすいのがコーディングの世界です。例えば、英語だと英会話スクールに行ってもぜんぜん喋れないということもありますが、コーディングは習得に個人差があれど、やればやるほど成果が出やすいと言えます。最近のオンラインスクールはメンターやサポーターのような人が寄り添ってくれるので、短期間でコーディングスキルを磨くのであれば、オンラインスクールが一番コストパフォーマンスが高いと感じます。
WebコーダーがWebデザイナーのデザインスキルを越える!?
コーディングのみでハイクオリティなWebデザインの表現が可能
Webコーディングで実現できることが非常に多くなりました。そして、この先も、まだまだWebコーディングの可能性は広がるでしょう。Webデザイナーがphotshopで画像として制作していたものをコーディングで実現できることが増えています。もちろん、Webデザイナーが画像として作る能力は求められ続けます。
しかしながら、別の次元でWebコーディングのみでハイクオリティなデザインを作り上げるニーズが現れ、Webコーダーがある特定のデザインニーズにおいては、Webデザイナーよりもハイクオリティなデザインを表現できると言えるでしょう。
最後に:WebコーダーはWebクリエイティブの基盤
Webコーダーに別のスキルが加わるとさらに強い
WebコーディングはWebクリエイティブの現場の大きなスキルの一つです。ただし、Webコーダーはフロントエンジニアと呼ばれるレベルに達しない限り、Web制作の現場でのヒエラルキーが低いのが現状です。
ですから、Webコーディングという能力を備えたら、別のWebに関するスキルを深めて、掛け算して、Web制作の現場の中で、自分の個性を打ち出せるようになると、好待遇や好条件のキャリアを獲得できるようになります。ぜひ、今回の記事も参考にしてみてください。
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