インサイドセールスのやり方とは?ステップごとに詳しく解説!
インターネットが発達して顧客の知識が増えるのと同時に、従来の訪問型のセールスが衰退していることなどの理由から、近年ではインサイドセールスが急速に発展してきています。インサイドセールスはリーマンショック以後のアメリカで急速に導入が進み、近年は日本でも注目されている営業手法です。この記事では、インサイドセールスのやり方についてステップごとに詳しく解説していきます。また、インサイドセールスを成功させるために必要なコツもご紹介するのでぜひ参考にしてください。
インサイドセールスのやり方
インサイドセールスでは、電話やメール、営業ツールなど、客先への訪問を行わない方法を活用します。顧客のニーズが高まるまでコミュニケーションを継続的に取り続けるのがポイントです。そして、「リード」と呼ばれる成約する確率の高い顧客獲得するためにインサイドセールスは行われます。ここでは、インサイドセールスの実際のやり方について解説します。
担当者の選出
まずはインサイドセールスの中心となる担当者の選出を行います。インサイドセールスの担当者は、いくつかの素養が求められます。その素養とは、「正確性」「実行し続ける力」「ヒアリング力」「チームワークを高める力」の4つです。インサイドセールスの担当者を決める際には、これらの素養が備わっている人物を選びましょう。
商談成立までのシナリオ作成
担当者が決まったら商談成立までのシナリオを作成しましょう。ここでのシナリオとは、カスタマージャーニー及びそれに基づくアプローチ内容とインサイドセールスの活動計画を指しています。
まず、カスタマージャーニーというのはお客様が商品やサービスを認知して最終的に購買するまでの、行動・思考・感情などのプロセスのことです。カスタマージャーニーを作成すれば顧客をより深く理解できますし、企業目線ではなくお客様目線で発想することができます。そこで、お客様の立場に成りきって、まずはカスタマージャーニーを考えてみましょう。どういった属性のお客様で何を思いどのように商品の購入に至るのか、具体的なストーリーを考えてみるのがおすすめです。
そして、カスタマージャーニーが明確になると、顧客の種類もいくつかに分類できるはずです。最初から商品の購入を決めている方もいれば、セールストークから気持ちが変わる方もいますよ。そうした方に対して適したアプローチ内容をそれぞれ考えましょう。すべてのお客様に対して同じアプローチをしていては非効率ですし、お客様目線の対応とは呼べません。お客様が欲している情報をカスタマージャーニーより見極めて、カスタマイズされたアプローチを目指しましょう。
カスタマージャーニーが決まりアプローチ内容も明確になったら、この段階でやっとインサイドセールスの活動計画を策定していきます。手順としては、マーケティング活動の年間日程や営業のリードタイムなどから活動スケジュールの決定を行います。KPI獲得やリードの精査・選別の期限、活動内容の振り返りをするタイミングなどを事前に決めます。そうすれば、仮にインサイドセールス部門の立ち上げから日の浅い企業でも、長期的な活動スケジュールもイメージしやすいはずです。
ツール・システムの準備
次に、インサイドセールスに必要なツールを準備していきます。インサイドセールスに最低限必要となるツール・システムは以下の4つです。
- 顧客データベースシステム
- リードとのコミュニケーションツール(メール・電話ツール)
- トークスクリプト(営業における台本)
- 社内情報に連携したチャットツール
また、必須ではありませんが、MAツールを導入することで、マーケティング活動を可視化したり、自動化したりできるため非常に便利です。MAツールがあれば、リードのリストの一元管理や、一元管理したリストに対するメールの一斉に配信も可能になります。
架電やメールの送付などを開始
ツール・システムが準備できたら、いよいよ実際に獲得したリードに対しての架電やメールの送付などを開始します。リードへのコンタクトを開始したら、次のアクションに繋がった件数や受注に繋がった件数、1時間あたりの架電数などの計測を行います。まずは1週間程度の期間をトライアル期間として、ここでの成果を基準値とします。
活動の改善
1週間のトライアル期間を設けて得られた基準値や、リードとのコンタクト内容の振り返りを行い、活動の改善を行っていきます。ここでは、フィールドセールスと連携しながら、どのような営業トークを日々行っているかなどのコミュニケーションをヒアリングし、インサイドセールスに活用することが重要です。というのも、もし担当者にフィールドセールスの経験がない場合だと顧客像がつかめずに、お客様に刺さらないトークをしてしまうことがあるためです。フィールドセールスと議論を重ねることは、トークスクリプトの改善にも繋がります。
また、可能であればセールスから切り返しの際の参考例などの意見をもらえるとより良い振り返りになるでしょう。この際、コール数などの集計の報告を行い、全体の平均コール数に大きく届いていない担当者に対しては、原因を明確にして対策を考えるようにします。
ちなみに振り返りの具体的な頻度ですが、1ヶ月に1回程度が推奨されています。数値的なデータに基づいた振り返りが望ましく、行動量・アポイント数・コンタクト数・アプローチを行ったリード数といった項目を基本として改善点を探ります。そして改善策を実行して振り返るというPDCAサイクルを繰り返し行っていくと良いでしょう。
インサイドセールスを成功させる3つのコツ
インサイドセールスを成功させるためにはいくつかのコツがあります。今回は、その中でも特に重要な3つのポイントに絞ってご紹介します。
業務範囲とフローの明確化
ヒアリングは単に決まった質問をすれば良いわけではありません。もし的はずれな質問をしてしまえばリードとの距離感を埋められないだけでなく、ヒアリングした情報を次に活かすことも困難になります。インサイドセールスを成功させるためには、カスタマージャーニーの明確化が欠かせませないとお伝えしました。自社のリードに合わせたカスタマージャーニーの仮説にインサイドセールスの施策とマーケティング施策のリードの反応を当てはめることができれば、次に行うべきアクションが自然とはっきりします。
また、そのアクションをするためには、どういったリードの情報が必要なのかも自ずと理解できます。インサイドセールスプレイヤーがカスタマージャーニーのフローを把握しているということは、インサイドセールスの成功における重要なポイントです。
情報共有の習慣化
時代の流れとともに営業という仕事が複雑化したことで、インサイドセールスという枠組みが新たに生まれています。そのためインサイドセールスにおいては、インサイドセールスとフィールドセールス、もしくはマーケティング部門との間での密な情報共有を行える仕組みを構築することが大切です。コミュニケーションの不足は、インサイドセールスの失敗にも繋がります。関連部門との情報共有を習慣づけることは、より良いチーム体制を構築する上でも重要です。
デジタルデータの有効活用
MAツールやメルマガの配信ツールなどと組み合わせて積極的にリードにアプローチを行いましょう。リードの反応や回遊データをどのように読み取って、次のアクションにどう活かすかというポイントはインサイドセールの腕の見せ所です。例えば、コンテンツの種類によってリードのニーズの強さを予測して、トーク内容に活かすことなどしてみると良いでしょう。
まとめ
この記事ではインサイドセールスのやり方について、ステップごとに解説し、成功のために重要な3つのコツをご紹介しました。インサイドセールスをこれから行う際には、ぜひ今回ご紹介したポイントを参考にしてみてくださいね。
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