自社ECで売上を高める4つの施策
EC運用で多くの企業が抱える課題に、「プラットフォームECから独立し、自社ECの売り上げを高めていく」というのがあります。
自社ECは見込み客を送客し、実際に集客し、サポートし、顧客関係を持続させながら、独自に収益化をしなければいけません。
自社ECは設置したけれど、なかなか収益が上がらないという企業もあるでしょう。
そこで、今回は自社ECで売上を高めるためにできる施策について解説していきたいと思います。
施策1:送客経路を徹底的に洗い出す
小さくかき集めて束にするのがコツ
自社ECはとにかくコツコツ確実に積み上げていくことが大事です。まずは、自社ECに送客可能なパターンを徹底して洗い出します。
・SEO
・EC内オウンドメディア設置
・診断コンテンツ作り
・SNS
・顧客リスト
・コミュニティからの広告
・リスティング広告
・無料サンプル広告
・ディスプレイアドネットワーク
・リアルイベント
・セミナー経由
・オンラインイベント
・新聞折込みチラシ
・B to BへのDM
・クラウドファンディングによる予約販売との複合
やれることはたくさんあります。特に広告費を投下すれば、商品認知と自社ECの認知を得ることも可能です。
様々な施策を低予算で試していくことで、自社でやるべき方向性も見えてくるでしょう。
また、送客を試みる際に重要なのが、送客された人がランディングするセールスページの効果検証です。
送客しながら、セールスページの質も磨いていくことで、自社のECの売り上げはとても高くなります。
施策2:購入以外の目的でコミュニティの役割を持たせる
自社ECが見込み客や既存客の人生を豊かにする空間に育てる
自社ECへの施策は、「単に送客して購入させる」というだけでは非常に効率が悪くなります。
最終的に自社ECが、見込み客や既存客の幸福を創造する空間となり、その幸福の創造を担う一つの役割が商品である、そういった認識を持つことも重要です。
例えば、健康食品のメーカーが、医者や他業界の専門家とタイアップし、定期的に健康無料オンラインセミナーを開いたとしましょう。オンラインセミナーの後に、交流の場や相談の場を設ければ、見込み客は、「このメーカーのECサイトに定期的に来訪すれば、いろんなことに参加したり、有意義な時間が過ごせる」と認知するでしょう。
単にカスターマーセンターに留まらずに、見込み客の段階から、健康に関する悩みをケアするようなチャットボットやオンライン対談の制度を設けるのもそうでしょう。
購入以外の目的でコミュニティの役割を持たせることにより、ブランドや企業への愛着(ロイヤリティ)が高まり、単なるユーザとは違った、結びつきの強い関係を築いてくれるようになります。
こうしたコミュニティ思考のマーケティング施策によって、自社ECに対してアクティブなリストが増えていくことになります。
施策3:クロスセル、リピート購入のシナリオ作り
購入前から購入後のシナリオをしっかりと作り配信する
ある程度リストを増やしながらも、一度購入した人に対してのシナリオ配信をきちんと作りこんでおくことは非常に大事です。
購入後1~3日目は、利用のモチベーションを上げるためのサポートメール(LINE)配信、7日後、10日後にも継続のためのケアをして、14日後には再度、目的や効能や成分説明を行い、そこからは軽く読めるコンテンツを配信しながら、2カ月後にクロスセルを促す、といった感じです。
シナリオ配信は、マーケティングセンスが要され、かなりのライティングコストが掛かります。なので、作り込むのに大きなエネルギーが要されます。
CRMなどと絡めて、商品ごとに違うシナリオを作っていくため、基本的には、担当者は2人上で行うほうが良いです。こういったシナリオ制作の担当者を一人にしてしまうと、作業はかなり足踏みしてしまいます。
せっかく取得した見込み客のリストや、せっかく広告費を払って送客したのですから、シナリオを作って、自社に様々なノウハウがストックされるようにしたいところです。
施策4:リスト獲得となる有益な無料プロダクトを作る
様々な層の見込み客を増やすことで自社ECの売上高を実現する可能性を高める
ECの場合、見込み客リスト獲得のための定番なものは、無料サンプルです。
ただし、無料サンプルは結果が見えにくい商品に対しては、見込み客との接点としてはマイナスになる可能性もあります。
そのため、無料サンプル以外の、無料の有益なプロダクトを作っていくことも重要です。
例えば、青汁などの健康飲料をラインナップとしている場合、消費者が自社の商品以外でも使える、「よく混ざるシェーカー」を無料のプロダクトとしてプレゼントするのも良いでしょう。
もしくは、ある悩みを抱える人にとって、自己理解が進むための冊子なども良いです。難しいと思われる分野を漫画やイラストで独自に解説した冊子や電子教材でも良いですし、医者との対談などの動画も無料で有益なプロダクトのフックになるかもしれません。
リスト獲得の手法が多様かすれば、得られる見込み客の属性も多様化します。そのことによって、売り上げ増に繋がる突破口が開ける可能性もより高まっていきます。
自社ECの施策にチャレンジすることは、独立的にEC事業を開拓する力を育てる
自社ECの仕組み化ができれば、その他の事業でも自社を成功に導くことができる
以上、自社ECで売上を高める施策について解説してきました。
今回の記事を通して、自社ECの売上増についてチャレンジできることはたくさんあることが理解できたかと思います。
ECプラットフォームは、言うなれば、都会の街のようなものです。自社ECでの購入とは、都会でサクサクとショッピングし慣れた人に対して、独自の島に来てもらい商品を選んでもらうことを意味します。
だからこそ、商品以外の有益性で足を運んでもらうフックを作り、商品以外の有益性で継続的に島へ来訪してもらうコミュニティやサポートを作り、ロイヤリティを高めてもらう視点を持つことが大事になります。
自社ECに真剣に向き合えば、EC事業以外の他の事業も、成功へ導くようなセンスと体力が備わるはずです。ぜひ、今回の記事も参考にしてみてください。
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