クリエイターの転職成功率爆上げのポートフォリオの作り方
悲報:ほとんどのポートフォリオがタダの作品集に成り下がっている
ポートフォリオを渡しても仕事を得られない理由
クリエイターにとってポートフォリオは自分自身を真っ当に映し出す鏡のような存在です。ポートフォリオを戦略的に作れば、クリエイターとして抜きんでることができます。しかも、ほとんどのクリエイターのポートフォリオはただの作品集に成り上がっている現状があります。
転職成功率爆上げ、仕事獲得率爆上げなポートフォリオには、ある共通の条件があります。それは、
潜在顧客の未来が良くなることをイメージさせてあげることのできるポートフォリオ
です。要は、ポートフォリオは「あなたの実力を示す作品集」ではなく、「あなたの実力で顧客をどのように変えられるのかを示すガイダンス」であるべきなんです。
潜在顧客の未来を輝かせることをイメージさせるポートフォリオを作る思考が大事になります。
転職成功率爆上げのポートフォリオの11の要素
仕事を貰えるポートフォリオには11の要素が必ず詰まっている
「狙ったターゲットから仕事を貰う」が目的である場合のポートフォリオは、作品集に留まってはいけません。以下の11の要素を確実に詰めるようにして下さい。
-
<売れるポートフォリオ11の条件>
- ファーストキャッチ
- ターゲティング
- ファクト
- エビデンス
- オファー
- レビュー
- リミット
- アンサー
- ウィル
- クロージング
- フォローアップ
実績としての制作物を公開することは、「3.ファクト」の部分に過ぎません。ポートフォリオを作品集として意識しているクリエイターは、残りの10の要素が欠けていることになります。
クリエイターによって、このポートフォリオの情報構成の差はあまりにも広すぎるため、きちんと11の要素を詰め込んだポートフォリオを仕上げたクリエイターは、仕事をどんどん貰って、他のクリエイターに大きな差をつけていきます。
では、11の要素を1つずつ解説していきたいと思います。
1.ファーストキャッチ
表紙・アイキャッチになる訴求でワクワク感を与える
ファーストキャッチとは、表紙で顧客の心を掴むことです。ファーストビューで、いかに潜在顧客のハートをキャッチするか、これは本当にクリエイターとしても大事なことです。
Webデザイナーであれば、ランディングページの一番最初の画像で、全体の概要を分かりやすく示して、スクロールさせたくしますよね。DTPデザイナーであれば、圧着はがきはめくりたくなる様に情報を打ち出しますし、DMだったら捨てられずに家へ持ち帰ってもらうように工夫するはずです。本の装丁家であれば、立ち読みしたくなる装丁を作り込みますし、著者であれば、とりあえず読み進めてみようと思う冒頭を工夫するはずです
なのに、ポートフォリオになると、「なんで、そんなに簡素になっちゃうの?」といった表紙が多いクリエイターばっかりです。ファーストビューは、「潜在顧客にワクワク感を与える」ということを意識して下さい。「自分が加われば、あなたの企業はいい方向に向かいます」という雰囲気やオーラのある表紙を作り込みましょう。
2.ターゲティング
「以下のような案件お任せ下さい」といったようなニーズのマッチングを明瞭化
ターゲティングは、あらゆるサービスを営業する中で、潜在顧客の自己対話を促す大切なセクションです。「そうそう!弊社はそれで困ってるのよ」といった自己対話を促すことで、さらにポートフォリオを深く読み込んでくれるようになります。
成約に全振りしたランディングページでよく「以下のような悩みありませんか?」「こんなことで困っていませんか?」という見出しで、チェックマークが入った箇条書きの情報を目にしたことはありませんか?あれがまさにターゲティングです。
自分のスキルに沿った正当なターゲティングは、良いマッチングの仕事をもたらしてくれます。
3.ファクト
実績や作品の公開
ファクトは、実績です。ポートフォリオの肝なのですが、大事なことは「間延びしないこと」です。類似した実績を連ねているクリエイターも非常に多い印象を受けます。より多くのターゲットに響くのは、実績の多様性を魅せることです。
リズムよく、よりシンプルにあなたの実績が伝わるような構成を目指しましょう。
4.エビデンス
実績や作品の成果・効果
制作物に対して、ABテストで過去のデザインよりも、200%のコンバージョンを達成したなど、成果や効果を示すと、ポートフォリオの影響力はかなり増していきます。
後、重要なことは、成果や効果は「数字だけに留まらない」ということです。
- 打ち合わせがかなり親身だった
- ヒアリング能力がすごくいろんなことを引き出してくれた
- プロジェクトの進行にストレスがなかった
- 修正が言いやすくて、しかも1回の修正で納得のものを仕上げてきた
同じクオリティでも、自分に頼むことで得られるメリットを示すことも非常に大事になります。
5.オファー
クリエイターとしての強み、自薦したい理由、提案など
オファーは、自分が提供しているサービスの内容を提示するセクションです。ポートフォリオでオファーがないと、潜在顧客は「どう頼めばよいのか?」というところに煩雑さを感じるようにあります。
能力が多く、実績が多様なクリエイターほど、オファーを詳細に出すことは大事です。発注側は、全員が切れ者ではありません。こちらが親切にオファーを提示することはとても大事なのです。
6.レビュー
お客様の声・利用者の声
実際のお客様の声を示すことで、サービスを提供している実態としての現実感を強く植え付けることができます。レビューと似通った境遇である潜在顧客であれば、高評価のレビューを読むことが、自分が発注する後押しになります。
7.リミット
発注のチャンスが限られていることをリミット付きで扇動
これは絶対必要とは言わないんですが、リミットを付けることで、即決率を高めたり、お申込みまでの期間を早めたりすることができます。「しっかりとクライアントに向き合いたいため、Web制作に関しては、毎月2件と決めています。すぐにサイトを制作したい方は、20日前後までにお問い合わせ頂くようよろしくお願いします」とったうような文言を添えるだけで、相手への影響力はかなり高まります。
8.アンサー
よくある質問、不安対処、短所や弱点なども伝える
FAQは、どのサービスの媒体でも見ますよね。なぜ、FAQが必要なのか、それは、潜在顧客の不安をゼロに近づけるためです。営業トークでも、「不安対処」というフェーズがあります。
よくある質問で潜在顧客が発注する際の疑問を打ち消すだけでなく、短所や弱点も正直に伝えることで、相手がより心を開く、自己開示効果を得ることができます。
9.ウィル
サービス、クリエイターとしての想いや信念、感謝の伝達
ポートフォリオの読後感を心地よいものにするために、後半にサービス、クリエイターとしての想いや信念、ポートフォリオを読んでくれたことへの感謝を示します。ポートフォリオに人間味を加えることはとても大事です。正直に、仕事への哲学を添えていきましょう。
10.クロージング
購入・申し込みの流れを理解させる
仕事の流れをきちんと示しましょう。この時点でポートフォリオが腑に落ちている潜在顧客は、購入やお申込みの流れを読んで、きちんと発注してくれます。
11.フォローアップ
連絡先、SNS、公式サイトへの誘導
即決にならない場合をきちんと想定しましょう。数週間後、数か月後、数年後に仕事を頼んでくれるかもしれません。連絡先やSNSなどは分かりやすい場所に記載し、「お気軽にいつでもご連絡下さい!」という雰囲気が伝わるようにしましょう。
無料で良い情報を定期的に送るようなメルマガへ誘導すると、さらに成約率が高まります。
最後に:売れるポートフォリオは顧客に寄り添えるポートフォリオ
仕事を貰うとは、相手にきちんと提供すること
さて、クリエイターの転職成功率爆上げのポートフォリオの作り方をお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?クリエイターは、アーティスト的な雰囲気もありますし、外部の方もそのように捉えているところがあります。
しかし、企業案件でご飯を食べるということであれば、企業に寄り添えるクリエイターこそが正義です。だから、企業の方が腑に落ちるポートフォリオを作るのが、本当の意味でのかっこいいポーフォリオになります。
フリーランスでより稼ぎたい、転職で給料を爆上げしたい、そんなクリエイターの方は、ぜひ、今回のポートフォリオ制作術を参考にしてみて下さい。
▼関連記事
・転職と自己効力感:転職への自己効力感を高める5つの方法
・転職いつまで可能!?クリエイティブ業界の転職限界年齢のホント
・クリエイターと複業、パラレルキャリアについて