クリエイターと資格:クリエイターに資格は必要か?
クリエイターとしてのキャリアを積み上げていく際に、「クリエイターって資格取っておいたほうがいいのかな?」と疑問に思う方もいるでしょう。
クリエイター系の資格はこの世にたくさん存在します。例えば、Webクリエイターなら「Webクリエイター能力認定試験」というのがあります。
間接的にクリエイティブの力を示す資格もあるでしょう。カラーコーディネーター検定試験などは、その一つだと言えます。
そこで、今回は「クリエイターと資格」について、掘り下げていきたいと思います。
クリエイティブで示しがつくなら資格は必要ない
クリエイターは資格よりポートフォリオ
正直、作れることが証明できれば、クリエイターに資格は必要ないと考えることができます。
クリエイティブできることを可視化できるモノがあれば、それで十分なのです。
ポートフォリオが充実していれば、資格よりも大きな訴求を与えることができます。
例えば、キャリアゼロの専門学生であっても、「Webデザイン集」などで高品質なWebを見つけ、Adobe XDやPhotoshopでデザインをそのまま起こせるようになれば、それを模倣したものとしてポートフォリオにすればいいんです。
模倣したものを積極的に改変して、別のモノに生まれ変わったとしたら、それは既にオリジナルです。
実際の売り物やプロジェクトで納品したものではないかもしれませんが、ポートフォリオとして示しを付けるために果たす役割は非常に大きいものになります。
クリエイター業務と資格の乖離
クリエイターは資格に摩耗されるべきではない
クリエイター系の資格が実際の業務と乖離しているような感覚を持つことは少なくありません。
クリエイター系の資格は、クリエイターが取るというよりも、企業のWeb担当者がリテラシーを高めるために取るべきもの見受けられます。
また、資格取得には時間が掛かります。資格を取る時間に摩耗されて、実質的なスキルを育てる時間が奪われては本末転倒です。
クリエイターが資格を取るなら、希少性の高いものを選ぶべき
誰もが取れる資格はクリエイティブではない
クリエイターとは創造的であるからこそ存在価値があります。それはある種平均的でないことを意味します。
ですから、資格を取るなら希少性の高いものを選択するべきです。
例えば、資格の「合格率が70%」と聞くと、かなり高いと思いませんか?誰もが短期間で取得できるような資格はクリエイティブとは言い難いです。
資格を取るのであれば、合格率が20%以下のものにチャレンジすることをおすすめします。
クリエイターは資格取得よりも運用経験を増やすべき
クリエイティブを俯瞰できる経験を増やすべき
公式ブックを徹底して勉強して取れる資格は、ある種「机上の空論」的な要素があります。
もちろん、実技のある資格もあるので、実技系の資格は実践的な側面を持っています。
しかし、資格はどうしても単線的で、物事を腑に落とすレベルにするには弱いと感じています。
それよりも、自分自身でクリエイティブしたものを個人的に商品やサービスとして打ち出し、運用する経験を増やしたほうが良いと考えます。
企画して、売るモノを開発し、プロモーションし、その都度成果を解析しながら、全体を改善する。
ゼロからクリエイティブの流れを最後まで駆け抜けていくほうが、クリエイティブの全体像を捉えるセンスは磨かれていきます。
作るだけでなく、売ることも得意になった方が良いでしょう。何が売れるかに対して、肌感覚に優れていたほうが、どんなキャリアを目指すとしても、活躍できる可能性がぐっと高まります。
今では、無料で使えるプラットフォームはたくさんあります。SNSでプロモーションも無料からスタートできます。ネットの広告もお手頃な価格です。オンデマンド印刷も便利ですよね。クラウドファンディングのような手段もあります。
個人的に企画から制作・運用までを経験するにはかなりハードルが低い時代になっています。
オリジナルな経験は、オリジナルなノウハウを積み上げる機会にもなります。
資格を取るよりも、一気にハイスペックなキャリアを打ち出せるようにもなるでしょう。
クリエイターにおける資格の効果
クリエイターは資格によって努力を示すことができる
では、資格にまったく意味がないかというとそういうわけではありません。
クリエイターとして努力したことを示すことができるからです。資格取得という努力を重ねたことをアピールできるのです。
資格取得がモチベーションとなって、スキルを深めるきっかけになるケースもあるでしょう。資格が背中を押してくれることで、すべてが始まるクリエイターもいるはずです。
クリエイターにおける資格の本質
クリエイターとしての資格を語源から読み解くと…
資格とは辞書的には「 あることを行うのに必要な、また、ふさわしい地位や立場」、「あることを行うために必要とされる条件」を意味します。
ふさわしい地位、立場、条件、これらは、クリエイティブの世界には当てはまらないと思いませんか?
クリエイターの場合、作れなかったらオシマイです。作らなければいけないのです。作れる必要があります。
逆に言ってしまえば、作れればいいんです。
プロジェクト単位で言えば、一緒に作ることができればいいということになります。コミュニケーションを含めたクリエイティブ能力こそが、クリエイターとしての何よりの本質的な資格と言えるでしょう。
最後に:資格という定規にとらわれない視点を持とう
クリエイティブな判断能力を身に付けるために
以上、クリエイターと資格について掘り下げてきました。資格とは、相手の資質を測る定規のようなものです。
しかし、分かりやすい定規だけがすべてではありません。
これはクリエイターを採用したり、発注したりする側にも言えることです。
やったことがないから、できないと判断する。専門外だからこの分野について携わる能力がないと判断する。
こうした判断は、分かりやすい定規のみで、短絡的にクリエイターを捉えているとも言えます。
相手の思考や本音を引き出して、持っている既存能力と潜在的な能力を加味し、より創造的な判断を目指す必要があります。
クリエイターも、クリエイターに任せる側も資格の良い側面を活かしながら、決まりきった資格に溺れないような資格との関わり方を目指していきましょう。
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