同業他社転職大全:成功する?失敗?ばれる?危険?などなど
同業他社への転職はアリかナシか?
答え:明確な利害関係を作らなければアリ
同業他社転職で悩んでいる方は多いと思います。前社と転職先に大きな利害関係がないのであれば、心置きなく転職できるでしょう。
仮に同業のライバル企業に転職したとしても、それは企業対企業の話です。
前社のアイデアやノウハウを仕入れるために引き抜かれたのであれば、個人のアイデンティティやスキルを求められているわけではないため、そういった転職は長期的には幸福を呼ぶものと言えなくなるでしょう。
もちろん、前社が用意してくれた様々な機会がスキルアップに繋がった部分は大きいかもしれません。しかし、前社のマニュアルや手法を切り離したとしても、自分ならではのスキルやノウハウがあり、自分ならではの考え方や哲学があるのであれば、それはまさしくあなた自身の能力と言えます。
同業他社への転職はばれる
むしろ、ばれてもいいように動くべき
プロ野球のFAを想像すると分かりやすいかもしれません。プロ野球のFAは同業他社転職といっても過言ではありません(プロ野球選手自体は個人事業主もしくは法人化した個人経営者)。
何が言いたいかというと、プロ野球のFA後の移籍は、ファンをはじめ全員にばれていますよね。最初はいろいろ言われる訳ですが、そのうち馴染んでいくのが一般的です。
「飛ぶ鳥跡を濁さず」とはよく言ったもので、綺麗に辞めることができれば、むしろ、送り出してくれる企業すらあるでしょう。
同業他社転職は仁義を尽くすべき
転職を繰り返すことは、終身雇用や年功序列の全盛に比べれば、至極当たり前の認識になっています。
急速な変化をし続ける時代に、変化を求めることはビジネスパーソンとしては当たり前です。
辞める前は、どんなことを言われても、最大の誠意をもって引き継ぎをしましょう。一番の頑張り時かもしれません。
終わり際の印象が良くなれば、業界内で変な噂が立つようなリスクを極力減らすことができます。
同業他社転職に格下はどう?
事業規模ではなく環境を重視しよう
例えば、月収が20万円とか30万円も下がってしまい、生活に大きな支障が出るレベルであれば、格下企業の転職は考える必要があるかもしれません。
しかし、「格下は格下ではない」という認識もできます。それなりに順調に存続している企業はどこも凄いのです。「従業員数が少ない」といった規模感で格下と認識しているのであれば、むしろ、それは格下ではないかもしれません。
スモールビジネスのほうがVolality(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性)、Compxity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)が絡み合ったVUCA(ブーカ)の時代を生き抜きやすいからです。
事業規模や一時的な報酬ではなく、職場の環境より次のキャリアとつながりなどを考えることが大事です。
同業他社の引き抜きは受け入れるべき?
ホワイトに引き抜かれたのであれば受け入れて良い
引き抜きは喜ばしいことですが、隠し通すと、こちらは気を使っているとしても、「虎視眈々と転職を狙っている」といった印象にすり替わります。
できれば、上司や先輩などに相談すると良いでしょう。その相談がきっかけで、報酬や待遇面を引き上げてくれるかもしれません。
現在の社内で自分が正当に評価されていなかったり、ミスマッチを起こしていると感じているのであれば、同業他社の転職によって自分がより活かされる可能性があります。
会社の環境や同業といえど、会社によってあまりにも違いがあります。やはり「自分が生かされる場所」で仕事をすると自尊心も高まりますし、精神衛生上とても良いと言えます。
前社にダメージを与えるためだとか、前社のノウハウや情報を仕入れるためだとか、そういったブラックな理由でなければ、引き抜きは基本的に喜ばしいことだと考えましょう。
同業他社へ転職する際の最適な退職理由
報酬面や家族の事情を入れる
最初に報酬面を伝えると良いでしょう。報酬面が上がったことを伝えて、どうしてもあなたが必要であれば、報酬を上げてくれることもありますし、社内制度上どうしようもできない場合は、会社側も諦めがつきます。
また、家族の事情などを入れるのも良いでしょう。「育児などを考えると、通勤時間の場所が良いところにしたい」だとか「親の介護のために実家から近いところ選びたい」という理由です。
同業他社への転職は裏切り感がゼロにはなりづらい
良い転職であればあるほど、残る者へ否定感を与えるから
同業他社転職は、会社に残る者からすれば、やはり多少「裏切られた感」は否めないかもしれません。
もしも、あなたが良い待遇で転職することができれば、あなたの転職は自然に前社の社員に対するマウンティングになってしまうからです。
去る時の周囲の態度は、これまでの積み上げてきた人間関係なども影響します。普段から周囲に良い影響を及ぼし、真摯に接してきたのであれば、惜しまれながらあなたは去っていくはずです。「裏切られた」という感情よりも、「お世話になりました」が勝るからです。
最後に:同業他社転職だからこそできるスキルの掛け算がある
同業他社の清く正しい多動力を身につけよう
同業他社転職は報酬面での待遇を上げやすい転職手法です。同業他社転職をあまり気にしない業界もあるでしょう。
このメディアStaseonでは、クリエイティブ業界向けの情報が主ですが、クリエイターはスキルが個人にあるものだという認識が強いため、同業他社転職はしやすいと言えます。
同業他社転職をすることで、その業界をより多面的に見ることもできますし、新たなスキルやマインドやリテラシーも備わっていくでしょう。
また、同業他社転職を試みようとするとき、これまでの人間関係が良好だったのかどうかもよりはっきりと見えてきます。
そう考えると、同業他社転職がスムーズにいくようなビジネスパーソンになれるように、普段から心・技・体を磨き、自分だけじゃなく顧客や同僚を幸福にするということはとても大事です。
同業他社転職に留まらず、他人へ与えた良い影響というのは、必ずどこかで返ってくるものです。ぜひ、同業他社転職を試みても、みんなから惜しまれつつも、喜ばれる、そんな人材に成り上がっていってください。
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