SEOの激変にさらされる中で、オウンドメディア運用の将来性を気にされている企業の方は少なくないと言えます。
そこで今回は、本サイト的なオウンドメディアの将来性、正しいオウンドメディアの作り方を解説及び提言していきたいと思います。
将来性1:100万部の本1冊から1万部の本100冊の時代へ
作り方:カテゴリーを切り分け、メディアを分散させる
検索をしたときに、羅列されるリンクに多様性があれば、検索を何度も使いたくなるのはもはや当たり前のことです。
検索結果の多様性は検索エンジンの質そのものです。
時代と共に情報アウトプット元が増えれば増えるほど、いろんな情報元を検索に表示させることが可能になります。
そうなると、1つのメディアが検索から選ばれるパイは少なくなります。
100万部の本を1冊輩出するのではなく、1万部の本を100冊輩出するような感覚です。
なので、これまで1つのメディアの中にカテゴリーとして存在していたものを、1つのメディアにするような対策も出てくるでしょう。
健康食品会社が健康のメディアで、カテゴリーに「運動」や「腸」があるようなケースでは、多様なメディアの中で個性を打ち出しにくいですよね。「運動」や「腸」というジャンルが大きいかもしれません。「ウォーキング」や「腸内細菌」など、より小さく絞ったテーマのメディアを作り、情報の質を掘り下げたほうが、検索エンジンから高く評価されるようになるでしょう。
将来性2:オウンドメディアは本屋化する
作り方:専門家が分かりやすく伝える
これからのオウンドメディアは本屋に本が並ぶようなイメージを持つと良いでしょう。
世の中の膨大な本の中から、本屋に並ぶ本はごく一部です。これは、検索エンジンがサイトを上位表示することに似ていますよね。
平置きされたり、複数冊置いてある本は、検索でいうところの上位表示と同じです。
そして、注目して欲しいのが、本屋の本ってすべて表紙があって、デザインに個性がありますね。
それと同じように文章だけでなくデザインを含めたあらゆる構成要素の個性がこれからのオウンドメディアには求められていきます。
また、書店に並んでいる本には著者が明示してあります。その分野を書く妥当性を明記し、その分野で実績のある専門家が著者になっていると思います。だからこそ、私たちは本を買うのです。
しかし、オウンドメディアの場合、「外注ライター」が下調べしてコンテンツを作るといった「テレビ制作会社」的な手法を取っている場合が多く見受けられます。
外注ライターがライティング作業を通して担当分野の専門性を深めてくれるのであれば、内容は濃いものになりますが、低単価ライターの情報に良質な個性は出づらいでしょう。
本屋には外注ライターが著者となった書籍は置いてないと思います。もちろん、ゴーストライティングしていることはあるでしょう。しかし、ゴーストライティングする際は、専門家から独自の情報を渡されたり、専門家のチェックも入るはずです。
これからのオウンドメディアは、専門家が分かりやすく伝えることを徹底したものが、検索との相性が良いと言えます。
将来性3:検索流入依存からの脱却
作り方:包括的な流入を狙う
そもそもオウンドメディアの立ち上げが乱発したのは、成果を出すための手法が分かりやすかったことにありました。
これは、検索ニーズがユーザの求める情報ニーズで、そのニーズを突き詰めた記事を執筆することで、検索エンジンから評価されるという方程式があるからです。
しかし、オウンドメディアで成果を出すのは、だんだんと難しく体力を要するものとなっています。ライバルの急増、Webブラウザ以外のアプリやSNSといった閲覧媒体の多様化、検索アルゴリズムのアップデートなどによって、作るべきもののレベルが上がっているからです。
これからのオウンドメディアは検索流入に依存しない作り方が重要になるでしょう。
今まではメディアの名前を「検索アルゴリズム」を意識したものにしていたかもしれませんが、これからはキャッチーで覚えやすいブランド感を意識することも大事です。
SNSやメルマガや対面などあらゆる接触ポイントを組み合わせていくことが大事になっていきます。その点で言えば、CRMやMAツールを使いこなして、自社の特性に合わせた流入を狙っていく必要があるでしょう。
将来性4:存在の妥当性が求められる
作り方:メディアの存在意義を明示する
なぜ、その会社がそのメディアを運用しているのか、その妥当性が説明できるメディアの将来性が明るくなるでしょう。
例えば、Webの制作会社で、Webのことをサポートしたり、企業のWeb担当者に分かりやすく解説するためにメディアを立ち上げているのであれば、そのメディアの存在意義は非常に高いと言えます。
存在意義が説明できないようなメディアは、個性が薄くなるはずです。
コーチングのコミュニケーションのノウハウを開発し、日々多くの研修を行っている企業は、まさしくコーチングを専門にやっています。生の個性のある情報や体験を持っています。
その分野に縁もゆかりもなく、外注して作っているメディアは、存在の妥当性が低くなります。
メディア内に運営者情報だけでなく、メディアの存在意義やメディアの運営ポリシーを入れておくことが、検索アルゴリズムに評価されることにも繋がっていく可能性もあります。
将来性5:オウンドメディアはコミュニティ化する
作り方:情報伝達以外のサポートやコーディネートの場を作る
単なる情報発信だけのオウンドメディアよりも、ユーザーとコミュニケーションの場になっている、コミュニティとして機能している、サポートやサービスが受けられる、そんなメディアのほうが将来性が高くなると言えます。
なぜなら、メディアの個性と妥当性が一気に高まるからです。
情報発信以外のユーザーをサポーしたり、診断したり、相談を受け付けたり、そういったコミュニケーションの場としてオウンドメディアを運用していきましょう。
最後に:オウンドメディアはより高い次元へ
情熱と覚悟のあるメディアを作ろう
オウンドメディアの将来性を本サイトなりに解説・予測していきました。
専門性・個性・妥当性を深めた情報発信のみに留まらない高次元なメディアが求められる段階に来ていると言えます。
そう考えると、その分野で働く企業の社員本人が情報のアウトプットをする「内製化」を実現できることが、将来性のあるメディア作りの一番の対策です。
逆に、社内でオウンドメディアに注力できない場合は、メディアは作らずに、社内のライティング力を高めることに力を入れたほうがいいかもしれません。
自分たちの分野におけるアウトプットが上手になれば、メディア運用以外の部分でも大きく役に立ちます。思考経済に絡めて、オウンドメディア以外の部分で収益を出すことも可能です。
ぜひ、よりよいオウンドメディアを、価値のあるオウンドメディアを作っていきましょう。